プリズン・ブレイクに学ぶ おすすめ脱獄法10選

 

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 ここ数ヶ月はずっと『プリズン・ブレイク』にハマってて、二六時中そのことを考えていた。(残りの十二時間は『天牌』のことを考えていた)。ずっと家に引きこもって生活しているのだから脱獄に思いを馳せるのもむべなるかな。おそらく皆さんの中にも、脱獄に対する抑えきれぬ憧憬を抱きながら日々引きこもっている方々がいることだろう。

 これからのトレンドは「脱獄」なのだ。

 というわけで、今回はおすすめの脱獄方法をランキング形式で紹介していく。脱獄とは知性と体力の限界に挑むエクストリームスポーツのようなものであり、これまで多種多様な脱獄法が考案されてきている。その中から特に秀逸なものを選りすぐって見ていこうと思う。

 すでに収監されているみなさんだけではなく、将来逮捕される予定の方々にも参考になるハウツーなので、ぜひ最後まで読んでほしい。

 では第10位から。

 

 

第10位『暴動を起こす』

 現実に海外の刑務所とかでたまにあるやつ。法治国家制度が進むと犯罪者への取締が厳しくなり、やがて収監者の増加及び刑務所の管理能力のパンクが問題となることが知られている(法社会学的知見)。そうなってくると受刑者たちによる暴動で、刑務官が殴り倒され、強引に脱獄が行わることが起こりうる。特にひねりはないが、ひたすら『力』によって脱獄するという単純さに加え、一度に大勢の脱獄が見込めるためシンプルにして最強の脱獄法だ。デメリットとしては脱獄後すぐに軍隊が投入されてさいあくの場合射殺される可能性があるという点である。あと、同じ受刑者であっても暴動に巻き込まれて死ぬ危険がある

 ちなみに応用例として「火災を起こす」というものもある。火災を起こすこと自体はわりと容易だし、火が出れば消防を呼ばざるを得ないし、囚人たちも避難せざるをえない。だが同時に、閉鎖された刑務所内に閉じ込められる危険もあるため、あまりおすすめはできない。

 また特殊な例として『あしたのジョー』で矢吹丈が少年院から逃げ出すために、院内で飼われている豚たちを暴走させてその隙に逃げ出そうとしたという例があるが、これは失敗している。以降、現在に至るまで豚を利用した脱獄の成功例はない。未来の脱獄犯に期待したいところだ。

難度★ 応用可能度★ おすすめ度★

 

 

第9位『身体の関節を外して檻から脱出』

 網走から脱出した昭和の脱獄王・白鳥由栄が得意とした手法。この男は4回も脱獄に成功しており、まさにリアルプリズン・ブレイクを体現している人物。様々な媒体で扱われている著名人だから知っているひとも多いと思う。一説によると頭さえ通過すればどんな場所からも脱出できたらしい。格闘漫画っぽい設定。なお関節外しはかなりの練度を必要とする技術なので素人はぜったいに真似してはいけない。関節を外しすぎるとどうなるかについては『TOUGH』を読んで勉強しよう

難度★★★★ 応用可能度★★ おすすめ度★★

 

 

第8位『脱獄したと見せかけて大騒ぎになったところで騒ぎに乗じて脱獄』

 完璧な密室から脱出した!……と見せかけて実はどこかに隠れておく。脱獄が発覚すると刑務所は厳戒態勢になるが、同時にそこには刑務所内の警備に対する死角が生じる。その死角を突いて本命の脱獄をするという手法だ。

 アルセーヌ・ルパンのような怪盗や、トリックを仕掛けてくるタイプの知能犯が得意とするミスディレクション脱獄法であり、エレガンスな知性を感じさせる妙手といえる。だが実際にやるとなるとこれは難しく、他の手法との組み合わせがなければ不可能だろう。危険性を度外視して脱獄の鮮やかさを求める向きにおすすめ

難度★★★★★ 応用可能度★★★★ おすすめ度★

 

 

第7位『刑務官を手懐ける』

 禁じ手のようではあるが、割と有効な手法。

 刑務官は文字通り囚人を管理する立場の役職だが、必ずしも正義の味方とは限らない。暴力的な刑務官もいれば、金になびく悪徳刑務官もいる(偏見)。そういう輩に上手く取り入れば、きっと頼れる仲間になってくれるはずだ。

 具体的な方法としては「①他の囚人のまとめ役になり刑務官と団体交渉する」「②溢れる財力で買収する」「③圧倒的な実力で跪かせる」というパターンが考えられる。②はマフィアのボスとか、③はビスケット・オリバとかしか出来ないやつなので、現実的なラインとしては①を狙うのが妥当だろう。

 ちなみに密告役として刑務官に取り入る方法もあるにはあるが、これはバレたときに囚人と刑務官の双方から見放されるのでおすすめしない。

難度★★★★ 応用可能度★★★★★ おすすめ度★★★

 

 

第6位『病気のフリをする』

 多くの刑務所には医療設備が併設されているが、入院や緊急治療を必要とするほどの疾病には対処できない。そこで重病を装って刑務所から病院へ移送されることを狙うという手法がある。症状の偽装については命の危険がない程度の毒物を服用するなどが考えられる。

 また発狂した演技により精神疾患心神耗弱を装うという応用パターンもある。

 ただし、たとえ病院に移送されたとしても、そこから脱出するには別の方法が必要だし、場合によっては通常房より厳重な警備施設へ移されるリスクもある。あくまで他の方法と組み合わせて使うことが推奨される。

難度★★★ 応用可能度★★★ おすすめ度★★★

 

 

第5位『鍵を奪う・こじ開ける』

 刑務所というのは無数の錠で出来ている。囚人を覆う檻は二重三重にめぐらされており、容易には脱することができない。そんな情況では、いくつかの鍵をこじ開ける技術が必要となってくる。

 もしあなたにスリの技術があれば、刑務官から鍵を盗みとり、そこから簡易な合鍵を作ることもできる。また、あなたにクラッキングの技術があれば、電子解錠システムの穴を突くこともできる。などなど鍵開けのスキルというものは様々な可能性があり、持っていて損はない。もしあなたにそういうスキルがなかったとしても心配は無用だ。刑務所には空き巣やスリの常習犯が必ずいる。そういう人物たちと仲間になっておけば、必ず役に立つ。もちろん、刑務官たちもその点には注意しているから鍵を開けただけでは脱獄できないように厳重に監視しているものの、鍵開けが基礎テクニックとして役立つことは間違いない

難度★★ 応用可能度★★★★ おすすめ度★★★★

 

 

第4位『檻を薬品で溶かす』

プリズン・ブレイク』『十三号独房の問題』などで登場する手法。刑務所内では意外にもいろいろな道具が手に入るのでDIY能力が高ければ様々な便利アイテムを作ることができる。化学薬品もそのひとつであり、持ち前の知識と工作能力によって金属部品を破壊するのは、脱獄学における中級テクニックともいえる。この技術を応用してより高度な脱獄に挑戦しよう!

 ちなみに先述の白鳥由栄は味噌汁を手錠に掛け続けて金属部を腐食させるなどの奇想トリックも編み出している。金属を溶かす手法は、単に鍵をこじ開ける手法に比べて応用の幅が大きく、また刑務官たちの予想を裏切る技術でもある。是非、押さえておきたい。

難度★★★ 応用可能度★★★★★ おすすめ度★★★★

 

 

 さて、ベスト3の発表の前に、惜しくも10選に選ばれなかった脱獄法を番外編として紹介しておこう。難点はあれど、捨てがたい脱獄法を集めてみた。

ヘリコプターを使って脱獄

 刑務所の上にヘリコプターを寄越してそのまま吊り上げてもらえば逃げられるだろう、という安直な発想。ふつうに乗り込むタイミングで刑務官に撃たれるリスクがある。『プリズン・ブレイク』でも一瞬だけこの方法が登場するのだが、禁じ手に近い。

人質をとって脱獄

 刑務官や医者を人質にして脱獄するケース。暴動パターンの亜種ともいえる。一度人質にとってしまえばかなり優位に立てるが、現場の判断次第で即射殺される可能性も高い。また、人質を制圧できるだけの武器を入手するのが難しく、リスクの割に微妙な方法だ。

ミステリー小説のトリックで脱獄

 だれもが一度は考えるが、ぜったいに上手くいかないやつ。世の中に密室トリックはありふれているが、脱獄法として実用できるものは限りなく少ない。また、応用できるものであっても実現に必要な条件がきわめて限られており、最終的にすべてがFになってしまう可能性も高い

死んだフリをして運び出される

 本家『プリズン・ブレイク』でもボツ案として登場する。日本ではふつうに火葬される。

 

 などなど、アイデアとしては悪くないものの、いまいち脱獄法としてはおすすめできない方法だ。ではここから、ついに脱獄法ベスト3を発表しよう。

 

 

第3位『移送時に脱出』

 そもそも脱獄というのは非常に難しい。ならば、監獄からの脱出にこだわる必要はないのではないか

 そんな発想の転換から生まれた手法がこれだ。囚人は裁判所との行き来や、刑務所への移送時に警察官や刑務官の付添の上で車に乗せられる。このときに協力者の助けを借りるなどして車を襲撃してもらい、脱出するという手法がある。この方法は派手で大胆ながら成功率が高く、『K─20』『ダークナイト』など様々な映画に登場する。ただし、あなたがジョーカーや怪人二十面相のように心強い部下を持っていない限り成立しないし、下手をすると死人が出る方法なので、人を選ぶ手法であることは間違いない。

難度★★★★ 応用可能度★ おすすめ度★★★★

 

 

第2位『穴を掘る

 いわずと知れた脱獄の代名詞。『ショーシャンクの空に』『大脱走』などの往年の名画でもお馴染みであり、脱獄と聞いてまず穴を思い浮かべる方も多いはずだ。

 古典的にして間違いのない方法であり、かつ穴を掘ること自体は非常に簡単なので脱獄初心者にも安心しておすすめできる。しかし、掘削のための道具の選定(歯ブラシやスプーン、釘などを改造して使う)や、掘削時に必ず出る削りカスや砂の処理など、実現にあたっての困難は多く、また他の囚人にバレる可能性も高い。また単純に掘るだけだと、脱獄までに十年以上かかることになってしまう。

 そこで、協力者を募ったり、事前に建築に関する知識を深めたりするなどの入念な準備が不可欠でもある。万全の態勢で穴掘りに挑もう。

 脱獄のバイブル『プリズン・ブレイク』では、あくまで穴を手段のひとつとして利用し、要所で使うことによってそのリスクを最小限に抑えている。プリズン・ブレイク』は脱獄初心者には必見の入門書となっているはずだ。

難度★★★ 応用可能度★★★★★ おすすめ度★★★★★

 

 

第1位『無罪を立証する』

 最強の脱獄法とは恩赦、ないし無罪放免である。

 ……なんて書くと「ふざけるな!」と怒るひとがいるかもしれないが、これは事実だから仕方ない。それに『プリズン・ブレイク』の視聴者であれば、この無罪の重みがよくわかるはずだ。ゴールは脱獄ではなく、無罪なのだ。

 ここまで紹介してきた方法によって脱獄に成功したとしても、そこからえんえんと逃亡生活が続くことは避けられない。『プリズン・ブレイク』を全話視聴したうえでわかるのは、やはり法的に赦される以外に完璧な脱獄は成立しないということである。無罪の立証にあたっては、論理によって無実を主張しても良し、ペリイ・メイスンよろしく法廷闘争をしても良し、あるいは本当は自分が真犯人なのに、嘘の論理によって無罪放免を勝ち取るという方法もあり得る。また日本であれば天皇即位時、米国であれば大統領の交代時期恩赦が出されるため、軽犯罪であればここで救われることもありうる。

 というかドナルド・トランプと仲良くなっておけばたいがいどうにかなる

 いずれにしても、無罪立証や恩赦には様々な抜け道があり、自分に合った方法を見つけることができるだろう。簡単ではないが、最強の脱獄法だ。脱獄学の行き着く先として、力強くおすすめしておきたい。

難度★★★★★ 応用可能度★★★★★ おすすめ度★★★★★

 

 

 いかがだっただろうか。

 一口に脱獄と云っても、その手法は様々であり組み合わせも無限大だ。ここに書いたのは代表的な例だけであり、おそらく今後も独創的な脱獄法が有志によって編み出されることだろうと思う。今まで脱獄に興味のなかった皆さんも是非、脱獄に挑戦してみてほしい。