ご無沙汰しております。
「20x20」という曲の春日部つむぎパートのリリックを書きました。春日部つむぎ(VOICEVOXトーク)のレコーディングもやりました。今回はその解説もとい説明をしていきたいと思います。
自分の作ったものを説明するのってなんか恥ずかしくない?というところはありますが、こういうのをやっていくのが今年の抱負なのでやっていきます。でも、やっぱり怖いので制作意図の8割くらいしか説明できません。2割は汲み取ってください。
韻の説明
うちの玄関 でも 通勤電車 でも
アイデア止まらない クリエイター
ふつうに結果とかついてくるから
つらくなることは特にねーなー
アイドルたち夢見るMet Gala
でもうちのrunwayは江戸川
覚悟決まると やるときやるぞ
ビルすら切る 服部半蔵
一度でもハマれば着脱不要です
クラスの オタク・ギャル・優等生も
なくなるぐうの音 逆ヤクルト1000
これ聴きゃ睡魔は脱落 you know what I’m sayin’?
信号待ちの多い 貧乏な街から
器用な歌詞を吐く 美女が来日
このステージでビビんのみっともない
だってあたしらかますの仕事だし?
魂かけてrhyme 承太郎
世界に向けてdive 直滑降
括弧つけず笑う 小確幸
情報量多すぎ like coach&four
誰も置いてかないよ 放課後
ヒッキーとあたしであける突破口
日々のlife 未知のflight
これがなるべくして成るギャルの意地とpride
原稿用紙は魔法の絨毯
送料無料 Amazonの通販
容量無制限 スマホのプラン
自分じゃない誰かなろうとすんな!
美しい場面も 移り変わってく
不満あれば君が作りたまえ
ウィンクする技師家のつむぎ春日部
ルーズしていいのは靴下だけ
意味の説明
全体として「陰と陽の創作」というのがテーマで、つむぎが陽側の創作、カゼヒキが陰側の創作について語るという構成があらかじめ決まっていたので、それに沿って作りました。
この曲はサンプリング多めです。ボカロラップって日本語ラップシーンとどれくらい連続性があるんだろうかということをよく考えるのですが、今回の曲はそういう連続性を示すために意図的にサンプリングを多くしたというところがあります。というか、ふつうにサンプリングというものが好きという側面もある。
>>「つらくなることは特にねーなー」
『RGTO』のSALUのバース「『たまに辛くなりますか?』 これが夢だったから特にはねーなー」が元ネタ。軽々とリリックを紡いで余裕ぶっているのが好きで、学校をテーマにしたMVでもあるし、つむぎにも言わせたかった。カゼヒキが創作とコンプレックスの話をしていることとの対比で、つむぎには全体的にボースティング的なリリックを出してもらった。
>>「アイドルたち夢見るMet Gala」
Met Galaとか服部半蔵とかいっているのは、XGの『GALA』からの引用。『GALA』自体がタランティーノの『キル・ビル』を引用しているのでそこからの孫引きでもある。
>>「逆ヤクルト1000」
ヤクルト1000は飲めば安眠できるけど、この曲は逆ヤクルト1000なので、一度聴いたら眠れなくなるという話。「シャブがなくても覚醒できる俺のマイク捌き」ということですね。
>>「信号待ちの多い 貧乏な街」
自動車のほうが歩行者より偉い地域では信号待ちが多くなりがちですね。「そこの横断歩道ウケるよ 城が建つくらい待つの」ということですね。
>>「ステージでビビんのみっともない」
カゼヒキは「ビビリ」だが、このステージの上ではびびってる場合じゃないよ!というつむぎからのメッセージ。
>>「括弧つけず笑う 小確幸 情報量多すぎ like coach&four」
三連符ゾーン。括弧(恰好)つけず笑う=小確幸、という話。「(笑)=笑括弧」という話でもある。小確幸は村上春樹用語なのでそこから書店→coach&fourという連想。coach&fourは埼玉にはないが……。
>>「誰も置いてかないよ 放課後 ヒッキーとあたしであける突破口」
カゼヒキの「置いてかないで」の歌詞に呼応する部分。
>>「これがなるべくして成るギャルの意地とpride」
漢の『成るべくして成る漢の考え』からのサンプリング。倍速を一箇所くらい入れたかった。つむぎの喋り方に合うフロウはまだ模索中という感じ。
>>「原稿用紙は魔法の絨毯」
カゼヒキが「原稿用紙」の話をしているのと呼応する部分。この曲は送料無料だし容量無制限。
>>「ウィンクする技師家のつむぎ春日部 ルーズしていいのは靴下だけ」
ウィン↔ルーズの対句。
「◯◯家」の表現はたまに見るけど、意識しているのはMIKUHOPアンセム『初音ミクの証言』の「やし家のミクの証言」。
感想の説明
私は楽曲制作の経験が皆無でしたし、合成音声ソフトもほとんど触ったことがなかったのですが、縁あってこの曲にいたりました。本来、歌唱ソフトではないVOICEVOXトークの春日部つむぎを使うという縛りプレイみたいなことをやっているのは、いろいろ理由があるのですが、日本語ラップっぽいものを作るにはそれがいちばん手っ取り早いように思えたからというのがあります。
春日部つむぎは、最初こそあんまり歌ってくれなかったのですが、練習するうちにかなりスムーズに歌えるようになっていったので感動しました。あとはもう私の技術的な問題で、もうすこし工夫してより良いものを作っていきたいと思います。とくに子音ごと聞こえ方の違いなどほとんど意識していなかったので、今後はそういうのも考えないとなあという感じです。
今回はいかにも日本語ラップ的な、しかも押韻重視のスタイルでしたが、もうすこし色々と幅広なことができそうでもあるので、そのあたりも今後は触れていきたいです。